HSP(繊細さん)でこれから仕事を探す学生さん、新人で働き始めた栄養士さん・管理栄養士さん、仕事を続けていくうえで感じている心配・不安はありませんか?

HSPかもしれません。どんな仕事が適職でしょうか?

HSPで栄養士ってできますか?

HSPかも…管理栄養士は続けられないのかも?

異動の度に変わる人間関係についていけません!私だけ?

HSPかも?と気づいただけでも超ラッキー!だと思います。
なぜなら、その特性を理解して、いい仕事をするには?を考えるきっかけになるからです。
わたしりんごは、管理栄養士として13年以上働いてきました。病院・施設栄養士をしていますが、苦手な環境・人間関係にも少なからず悩んでいました。そんな中、自分がHSP(繊細さん)であることに気づきました。
ここでは、HSP・繊細さんが少しでも生きやすくする方法を、お仕事と結び付けて模索していきたいと思います。
HSPを知ったきっかけ
「HSP(=Highly Sensitive Personハイリー・センシティブ・パーソンの略)」、「繊細さん」、という言葉を耳にすることが多くなったかと思います。
私は2020年頃、初めて「私、HSP(繊細さん)かも」と思いました。きっかけは、この1冊の本からでした。
『「繊細さん」の本』
その気づいた時から、さらに本を読んだり、動画を観たり・・・そしたら当てはまることが多くて!もっと早く知っていたらもう少し楽に過ごせていたかも。とそう思いました。
過去のことは変えられませんが、そこからは少しずつ生きやすい生き方を選ぶよう意識しました。
HSPだと気づいたことで、今まで思っていたことは当たり前じゃないんだとか、みんなもそう思っていると思っていたという考え方の違いを理解することができ、対策法が分かったので少し生きづらさを軽減することができました。
ここでは「HSPだから…」といって消極的になるよりは、その性質を知って、より生きやすい道(職探しや異動や転職)を選んだりといったコツをいくつか紹介したいと思います。
HSPとは

HSPは生まれながらに持った気質で、危険を察知する能力が人一倍高く・敏感な方といいます。
これらの研究をされたアーロン博士によると、人口の約20%の割合、つまり5人に1人の人はHSPだといいます。
*気質なので、精神的な“病気”ではありません。どちらかというと”性格”という位置付けです。
↓こちらは、HSP診断テストです。
HSPの職探し

そんな繊細さんな私でも管理栄養士はこなせています。
これから働く方は、自分の気質を理解しておくと適応しやすいかもしれません。
また転職を考えている方は、その前に以下のことで解決できるようなら参考にしていただければと思います。
それでもだめだという時は転職も一つだと思います。
これまでの仕事は気質に合わなかった。と、思えばいいし、
『あなたを理解してくれる場所へ行く』という選択肢もあります。
HSPの適職 |歴史から探る

アーロン博士によると、
『すべての西洋社会を含む「攻撃的な社会」は、人間を2種類の階級、つまり衝動的でタフな戦士や王から成る階級と、思慮深く教養もある、聖職者や判事、王族の参謀などから成る階級のふたつに分ける社会的組織から始まった。
その社会が生き残るためには、このふたつのバランスが重要であり、HSPは後者の相談役階級に属する傾向にある』
と述べている。
つまり、社会は
- 突進する戦士たち…戦士や王
- 一歩引く相談役…聖職者など
のふたつの役割にわかれて、それぞれでバランスをとって成り立っているとのこと。

相談役の役割は、突進する戦士に、「ちょっと考えなさい」「立ち止まりなさい」という役。
これは現在でも当てはまるのですが、現代社会の日本では、幸福にも「職業を選べる自由」があるので、この特性は自分で見抜かなければならないようですね。
現代社会でのHSPの適職
では現代社会においての適職は?となりますよね。
これらの歴史から、HSPに向いていると思われる仕事は以下のような仕事ではないかと言われています。
- 科学者・学者
- 教師
- 医師
- 弁護士
- 心理療法士・カウンセラー
- コンサルタント
- 芸術家
しかし、その他の職業が「向いてない」ということでもないようです。
HSPの天職を考える
喜びに従うということ
神話学者のジョセフ・キャンベルは仕事に悩める学生にこんなことを言ったそうです。

喜びに従いなさい
— 神話学者 ジョセフ・キャンベル
「喜びに従いなさい」。
かといって、やったー仕事辞めて、海外旅行へ行くぞーではないんです。
続きがあります。
「『喜びに従う』とは、その時楽しいことや簡単なことをしなさいという意味ではない」と付け加えたそうです。
「これが『自分の仕事』だと感じることをしなさい」と。おっしゃっています。
お金の為の仕事と天職
さて、喜びだけでは生活はできません。
それなりのお金がないといけません。
【だれが「喜び」に従おうとするHSPにお金を払うだろうか?】
ということです。
「自分の喜び」と「世の中のニーズ」との接点を探すこと
では、天職に就いてお金を稼ぐにはどうしたらいいか?
それには、「自分の喜び」と「世の中のニーズ」の接点を探すことだと。
この接点が見つかれば、あなたは好きなことをしてお金を稼ぐことができるでしょう。
参考図書:
管理栄養士とHSPの相性|仕事探しの参考に
それでは、HSPと管理栄養士の相性はどうでしょうか?
「HSPだけど、管理栄養士ができるかな?」という疑問には、一言でお答えするのは正直難しいところです。
しかし、HSPという特徴を知ることができたなら、その上で納得のいく方向を考えることはできます。
なぜ一言で言うのが難しいかというと、
管理栄養士・栄養士の役割の範囲が大きいからです。
職場は病院・高齢者施設・公務員・スポーツ栄養士・・・と様々。
さらに病院栄養士の仕事内容だけとっても、給食担当なのか栄養管理・栄養指導担当か、どちらもなのか、また病院の規模によっても異なります。
パターンがいろいろあるのです。
なので、一番はやりたいことを優先してやる
のが、いい選択だと思います。
先ほどのアーロン先生の本でも話していた、
喜びに従いなさい
これに尽きるかと。なぜなら、最初からあきらめて選んだ仕事より、やりたいと自分で決めた仕事のほうが少しの嫌なことなら乗り切れると思うからです。
その中でも「向いていることを探したい」なら

自己分析はしっかりと
一番注目したいところは、「自分の短所・長所は?」というところです。
よくHSPさんは
- 仕事が遅い
と言われることがあるそうです。
しかし、よく考えるとHSPさんって細かいところによく気が付きませんか?そこを直したりしているうちに時間がかかってしまうという結果、周囲からは「遅い」と誤解されることが多いんだと思います。仕事をする場所によっては、
- 「細かいことろにもよく気が付く」
- 「資料をまかせると安心だ」
といった評価になり得ますよね。
短所は裏を返せば長所です。
「言い換え」をしてみると、意外な長所も発掘できるかもしれません。

りんご
これはHSPに限らず、使えるテクです。
『やらないことリスト』も上げてみる
自己分析ということもされると思いますが、これは特に「できること」「やってきたこと」にフォーカスされることが多いです。
ですので、HSPさんはさらに「やらないこと」にも重要視してみてもよいかもしれません。
- 不快と感じること
- やりたくないこと
- 苦手なこと
- これをやるのは苦痛と感じること
を、書き出してみましょう。
自分でも、「ああこれが嫌だったんだな」気づくこともできます。
絶対にこれはやりたくない!ってのは、無理に始めないほうがいいです。
どこかでつまずく可能性が大きいかもしれません。
そこから、逆のことを考えると、自分が快適に仕事をできる職が導かれるかもしれません。
例えば、
- 実家から離れること・地元から離れることが嫌。⇒異動がないところ。異動の不安が無い。
- 人と関わるのが少ないところがいい ⇒ 職場の管理栄養士の人数を聞いてみる。
そのうえで、
- 好きなこと(やっていて時間を忘れるほど夢中になれること・苦労が少ないこと)
- 優先したいこと(お金・場所・地位・時間)
を考えてみましょう。

履歴書や面接では「これはやりたくないことです」ってのは、言わないことが多いので、
なかなか気づきにくいところですよね。
例えば
HSPは、カウンセラータイプということを活かすなら、
栄養指導や患者さん・利用者さんとお話するのは向いているといえるでしょう。
しかし、営業・セールスは向かないかもしれませんね。

補助食品の業者さんにお会いしますが、逆の立場なら初対面とかドキドキしそう…
また、新しい刺激に神経が高ぶりやすいHSPさんは、異動があまりない職場を選ぶのも良いと思います。(病院希望でも系列の高齢者施設への異動がある場合もあるので、就活の際にはよく確認してくださいね!)
HSP管理栄養士の職場環境選び
もし、環境が選べるなら、こんなことも参考にしてみてください。(これはりんご🍎の感覚ですが)
🍎HSPが心地よい職場環境を探すヒント🍎
- 見学して、栄養科の雰囲気を感じに行く。=HSPの直感、けっこう大事。
- 机の位置や人との距離を見る。=近すぎるより離れているほうが快適に感じる。
- 栄養科の人数は?大きな病院なら関わる人数も増えます。が、ある意味適度な距離感のところもあります。
- 仕事のスピードは?=見学時に、業務内容・業務分担を聞いてみても〇
- 一人職場の場合・・・大変なところもありますが、慣れれば事務所ではひとりで過ごせるのでひとりが気楽といったことも。(上司や先輩に気を使うことが少ないので)ただし、調理員さん・他の職種とのやりとりはあります。
わたしは、仕事は「みんなできているのに、出来ない」と思うより、『気質に合わなかった』ので『合うところへ』行けばいいだけと考えればいいと思っています。
もともと、まじめで頑張り屋さんが多いといわれる繊細さん、能力を活かせることなら人一倍の力を発揮すると思います!
また、経験が積み重なっていくうちに、やりたいこと・天職の意味も変わるかもしれません。

「がんばりすぎない」が目標です
例えば、栄養士以外を考えてみる
栄養士という資格にしばられない働き方もあります。よく言えば、栄養士もできるしそれ以外もできるのです。こうすると仕事探しの幅を広げることができます。
私も転職活動の際は、栄養士以外ものぞいてみました。すると例えば事務職等と給料の差がそれほどないものもありました。栄養士はシフト制なのに対し職によっては日勤帯のみという仕事もあります。なので、『働き方』で探してみるのもいいかもしれません。
試しに転職サイトに登録してどんな仕事があるんだろう?と探してしてみてもいいかもしれません。そして、やっぱり栄養士がいいなと思えば栄養士に絞ればいいのです。最初から絞る必要はないと考えます。
主な転職サイト
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参考図書

りんご
また追記で、HSPについても発信できればと思います。
参考書籍:『「繊細さん」の本』 やわらかい字と絵で読みやすい本で、分かりやすかったです。
アーロン博士の本も良いですが、こちのほうが感覚的に分かりやすく実践的だと思いました↓
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