給食においても、やはりおいしいごはんが主役です!
日本人である限り、ごはん!ごはん!ごはん!『おいしいご飯の炊き方』は、きってもきれない調理となってくるでしょう。
また大量調理でのご飯の炊き方は家庭と少し変わってきます。米のつぶれたごはんより「家庭のような米粒のたったごはん」を目指したい!
これをおさえれば、患者様・利用者様からは一味違う、『おいしいご飯の提供される給食』という認識がされるでしょう!
私が以前、直営給食で働いた際、炊飯器メーカーの方からご飯の炊き方の講習会を開催してくださいました。その話を基にさらに厨房でも実践していたので、お話ししたいと思います。
家でも応用できることです!
大量調理ならではのポイントもお伝えします!
ごはんのおいしさとは?
ごはんのおいしさを決める要素はなんでしょうか?以下の内容が挙げられます。
- 銘柄?
- 水分量?
- 柔らかさ?
- 甘さ?
おいしい米の銘柄は好みにもよる
よく、おいしいご飯の代表格といえば『コシヒカリ』と言われますが、このお米の特徴は、
甘めのもっちり。
ですので、もっちりしてないほうが好きな方にとっては、いくら特Aコシヒカリでも好みでないということになります。ただ、日本人の多くがこの特徴を好んでいる為、おいしい=コシヒカリのように言われることが多いのかもしれません。
また料理によっても、より合うお米の特徴があります。
例えば、カレーやピラフ・チャーハン・寿司・酢飯なら、もっちりより水分少なめのパラパラという食感が合うと思います。
昔、”タイ米”食べたなぁ…
ですので、このあたりのメニューの際、給食においては水分を少なくしたりして調整してみましょう。
多くの場合、給食・大量調理では食費の課題があるので、高級米を使用することは少ないと思います。
限られた予算の中で、お米のおいしさを最大限に引き出しましょう!
米を炊く手順ごとに解説
- 米を研ぐ(洗米)
- 水を吸わせる浸漬・吸水
- 水の量
- 炊飯
- ほぐし
追記
- お米の保管方法
- お米の選び方
米を研ぐ(洗米)
洗米の基本をおさらいすると、
- 1回目の水はすぐ捨てる。
- 洗いすぎない。
- 泡だて器で研ぐのはNG
とにかく、洗いすぎたりすることで米に傷がつくのはNG。
やさしーく洗ってあげて❤
現在の精米技術は進化しているので、昔ほど洗わなくてよいと言われています!
そして、大量調理においては、洗米を行ってくれるのは洗米機であると思います。
ごしごし洗うことはないと思うので、循環型の洗米機なら、長時間洗い続けることが無いようにしてみましょう。
浸漬(吸水)
30分~1時間は十分に水にさらしたいところです。
さらに、冷蔵庫に入れて吸水すると、内部まで吸水でき、おいしいご飯に炊けます。時間と冷蔵庫の余裕がある場合はどうぞ。
ちなみに、りんごも教えてもらうまで知らなかったのですが、水分を吸った米は割れやすいそうです。
洗った後、ザルにあげたままにしておくと、『胴割れ』といってお米が割れやすくなってしまうので、注意です。
胴割れするとその部分からでんぷんが溶け出して、べたついてまずいご飯になっていまいます💦
水の量
水分量は、大量調理の場合はきちんと決めておきましょう。
- 米と水分量は決めておく。
- 新米時は水分を控える。
- カレー・酢飯は水分を控える。(かどうか、施設ごとに決めておく)
炊飯前の注意点
これは特に朝の炊飯についてなのですが、各施設、朝食時の炊飯はどの時点から始めていますか?
前日に浸漬までして、翌朝点火から始める場合、でんぷん質が沈殿することにより炊きあがりに差が出るとも言われました。
沈んだでんぷんにより、火が伝わりにくくなりうまく炊けないので、必ず混ぜてから炊くことをしましょう。
ほぐし
「ほぐし」は、あなどることなかれ!
まさに、大量調理におけるごはんのおいしさの違いはここに出るかもしれません。
気を付けることは、ご飯粒をつぶさないこと!
下のお米のほうが重力がかかったり、水分が多めの為、つぶされやすいです。
ですので、長い時間置かずにすぐに返すことがポイントです!
そして、「ヘラが大事!」
大量調理では炊飯釜も大きいため、ヘラも大きくなりがちです。
回転釜で使うようなおおきなヘラで混ぜてませんか??
これだと、厚みがあるためご飯をつぶしてしまいます。
できれば、ヘラは小さめ。そしてヘラの先が薄いものがお勧めです!
ご飯を切りやすい為です!
ほぐしの技術は、家庭のご飯でも役に立ちます!
これにより、お米一粒ひとつぶが感じられる、ごはんが
完成形となります!
お米の保管
お米の保管で最高なのは、低温の保管庫にて保管すること。15℃以下での保管。
私の嫁ぎ先は農家なのですが、自宅で食べる用のお米も低温保管庫に保管されています。
厨房の温度管理はもちろんされているかと思いますが、温度が上がりやすい場所の場合は、米は冷蔵保存や、食べる分の米をこまめに購入するなど工夫しましょう。
お米の選び方
お米の選び方。ここでは銘柄でなく、コメの状態の選び方のポイント。
米の中に黒い点々がないか?
黒いコメは、カメムシなどが栄養を吸った米。
今はセンサーで米を飛ばしたりしているので、売られている米はほとんどないですが、農家から直接取引している米には含まれることが多いです。
真っ白いお米が少ないこと。
米をよく見ると、米は米でも、真っ白いコメがあるのに気づきます。
真っ白い米は未成熟米。
熟してない米は、中身がスカスカで炊くとべちゃつくので、この米が少ないものを選びましょう。
米は割れていないか?
割れている米が多い場合は、割れた部分からでんぷん質が出てしまい、ベタベタしてまずく感じます。
このように米をじっくり見てみるのも良いでしょう。
このような知識があるだけで、価格に見合った米の納入ができているか?を考えることができます。業者さんと交渉もできます。
米の価格は食費にもおおきく関わります。大事なことですね👍
まとめ
大量調理におけるおいしいご飯は、工程ひとつひとつにしてもマニュアル化されていることが大事です。
- 米選び
- 保管
- 洗米
- 浸漬・吸水
- 水分量
- ほぐし
これらに気を配って、よりおいしいご飯をめざしてみましょう!
これで、「一味違ったおいしいご飯」になるでしょう🍎
以上、参考になればうれしいです。
こちらは大量調理機器について書いた記事です。
実習・国家試験にも役に立つお話かと思います。↓
こちらは、厨房内のタイムスケジュール。厨房に入らない施設側の栄養士さんには特に知っていてほしいと思っています。
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