令和6年度診療報酬改定に伴い、GLIM基準の使用を進めている病院・管理栄養士さんが多いと思います。
また、退院後に受け入れる側の施設でもどのようなものか?を知っておく必要が出てきています。
GLIM基準???
初めてのものは疑問がいっぱいです。
私もそのひとりです。グリムってそもそも何?や使い方など、わかりにくいなと思ったところをまとめました。
かみ砕いて書いてみたので、厳密にはJSPENのHP等をご確認ください↓
令和6年度診療報酬改定がきっかけ
なぜここまでGLIM基準が盛り上がっているのか?という点について。
GLIM基準自体はもともとあったものです。
それが今回の診療報酬改定において、GLIM基準について書かれている点が数か所あるため盛り上がり?をみせています。
栄養管理体制の基準の明確化
栄養管理計画においての記述になります。
回復期リハビリテーション病棟における見直し
GLIM基準って何?
今まであいまいであった「低栄養」の基準を、統一化しようよということで、世界の主要な臨床栄養学会が基準を決めました。これが「GLIM基準」です。
なので、端的に言うというと、GLIM基準は「低栄養」の診断基準ということになります。
一番初めにGLIMを使うの?GLIM基準による低栄養診断のアプローチ
GLIM基準による低栄養診断は、初めに栄養リスクのスクリーニングを行い、次に栄養リスク症例に低栄養診断を行います。さらに、必要に応じて重症度の判定を行うという、以下の様なプロセスになります。
『いきなりGLIM』ではないことをご確認ください!
GLIM基準では、アセスメントツールは使用しない⁉
GLIM基準では”検証済みのスクリーニングツールを使用する”となっています。
今まで、栄養スクリーニングツールとして使用していたSGAやMNAは、厳密に言うとアセスメントツールということとなり、これらではないスクリーニングツールの使用が勧められています。
また、病院独自の判定方法やAlbでの判定も含みません。
ここれは、「GLIM基準においては、アセスメントツールではなくスクリーニングツールを使用しましょう」という点をご確認下さい。
なぜ、アセスメントツールを含まないのか?
スクリーニングはたくさんの対象者をふるいにかける作業。
対して、アセスメントはふるいにかけられた対象者をさらに「よく見る」作業になります。
アセスメントを行うことは、GLIM基準との併用においては「重複作業」にあたると考えられます。
筋肉量の減少の評価は?
表現型基準の中の筋肉量減少についてはどのようにしたらいいの?と思う方も多いと思います。
いままで栄養管理の中で、この評価を行っていない病院ではとまどいも大きいでしょう。
下腿周囲長を利用するところが多い印象です。
下腿周囲長のカットオフ値
カットオフ値、つまり、どこで区切ればいいのかという数値が、明示されていません。
カットオフ値はこれ!と書かれず、「カットオフ値例」となり、さらにいろんな前提によりカットオフ値が違うという書き方があいまいにしている点ではないかと考えます。
現在、JSPENでは以下(図の青枠内)のように提示されていますので、参考にしてみてください。
まとめ
今年度の診療報酬改定は6月からですね。
病院の管理栄養士さんは、6月からの開始に向け準備中もしくは徐々に始めているかと思います。
誰がスクリーニングを行うのか?スクリーニングはどれを使用するのか?用紙はどれを使うのか?栄養管理計画書の変更はどうするのか?退院時や定期的な評価はどうするのか?
このへんが詰めていくところかと思います。
この記事がお役にたてればうれしいです
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