「栄養指導 未経験でもできますか?」
特に転職時などは気になるところですよね。
「栄養指導 未経験でもできますか?」
最初は不安ですよね
結論を言えば、段階を踏めば大丈夫!だって、誰でも最初は未経験なんですから。
(何十年ベテラン先輩も新人の時があったのよ…)
とはいえ、イメージができないから不安なんですよね。
例えば、
『いきなりひとりでやるの?』
『教えてもらえるの?』
『私の知識で不安…』
といった不安やお悩みがありますよね・・・。
今回はその不安に
- 病院栄養士歴=栄養指導15年以上
- 新人さんへの栄養指導の教育経験あり
の病院管理栄養士りんごがお答えします!
あなたの「栄養指導をやりたい!」の気持ちにお答えします!
栄養指導・相談ができる職場
まず『栄養指導』というと、病院・クリニックをイメージするかと思います。
しかし、疾病の予防目的の栄養指導もあり、行政・健診の場もあることを確認しておきましょう。
- 一次予防→市町村の栄養相談。特定健診時の栄養指導(特定保健指導)
- 二次予防→すでに発生している疾病を、より早期に発見し(健康診断)、早期に疾病対策を立てること。
- 三次予防→三次予防とは疾病の再発防止、社会復帰。
病院・クリニック
医療機関では、2次~3次予防目的の栄養指導となります。
役割は、
・早期の介入による悪化防止
・悪化防止による再入院の予防・QOLの維持向上 などになります。
高齢者施設
高齢者施設では、主に在宅へ帰る際に栄養指導が入ることがあります。
食べ過ぎちゃう肥満の方や糖尿病の方、循環器疾患の方への塩分制限のお話などが中心です。
(りんごの経験では、件数はそこまでありませんでした)
自治体(市町村)
一次予防の観点からの介入なので、疾病があれば病院での治療や指導を優先してもらうようにはなるでしょう。
また、離乳食教室や健康教室・調理指導なども行っています。
特定保健指導
健康診断後の必要者へ行います。
いわゆる「メタボ健診」のメタボ該当者への栄養指導です。
病院での栄養指導:栄養指導独り立ちまでのステップ
今回は、病院の個別栄養指導についてお話しします。
病院でやっている教育プログラムを織り交ぜてご紹介します。
このポイントを確認しておくとスムーズかと思います。
ステップ1:栄養指導の手順の説明
まずは、栄養指導内容よりも先に、どのような手順で栄養指導に入るかを説明が入ります。
各病院で異なるところなので、よく確認しましょう。
- 栄養指導の予約から入るまでの手順
- 栄養指導の場所
- 栄養指導の開始・終了の連絡をどこへするのか?(病棟・外来・医事課)
- 栄養指導の記録をする箇所。栄養指導の依頼伝票・カルテ記入の説明。
ステップ2:先輩栄養士の栄養指導見学
先輩栄養士の見学を行い、イメージをつかみます。
逆に独り立ちすると、この機会も少なくなるので、この段階のうちに盗めるところは盗んでくださいね(*^_^*)
- 導入の確認☛先輩が最初の一言目なにを話しているか聞いてみよう!
- 確認しているポイントは?食事内容?食環境?仕事?→(質問票があるとやりやすいですね)※他記事で紹介しています。
- 表情は?うなずきや傾聴は?
- 時間配分は?(栄養指導も時間が決まっています。長ければいいということでないのでポイントをつかめるようになりましょう)
ステップ3:栄養指導ロールプレイ
ステップ3がないところもありますし、2と3が逆の場合もあります。
患者さん本人と対面する前に、先輩栄養士が患者役になって、栄養指導のロールプレイをします。
- 基本情報を確認
- どのような質問をするか
- どのような受け答えをするか
などを確認します。
ここまでいけば実践です!↓
ステップ4:栄養指導実践 (先輩栄養士が付く)
今度は栄養指導を行うのはあなたです!先輩が栄養士が付き添います。
最初は緊張すると思います!が、大丈夫。
ちゃんとやろうと思うと肩に力が入ってしまうので、
『患者さんのお話を聞いて寄り添う』姿勢で向かいましょう!
患者さんがどんなことで悩んでいるのか?
患者さんが「どうやったらいいのかな?」が引き出せたときに、こちらの情報を提示する、このくらいの距離感でいいと思いますし、実際りんごも十数年たってもこのスタンスは変わりません。
これらを数回行って、先輩栄養士の『GO』が出れば独り立ちです!
ステップ5:病態ごとのステップアップ
最初は人数が多い高血圧や糖尿病から担当することが多いです。
その後は、
- 心疾患
- 腎臓病や透析。
- 肝臓病。
- 外科系胃の術後。
- 嚥下食
病院の特徴によって、担当する件数・割合が異なります。
ステップ6:独り立ち後も分からなければ、とことん聞いて!
独り立ち後、独り立ちしたからと言って、全て自分で解決しなければならないわけではありません。
患者さんによって、症状も生活背景・性格も違います。
一人一人が初めての経験です。
わからないままで進むほうが良くないと考えています。
わからないことや困ったことがあれば先輩栄養士に聞いてください。
もちろんりんごのブログも役立てていただければ幸いです🍎
身に着けたい知識
病気についての知識 糖尿病・腎臓病・心臓病
病気についての知識も抑えることは基本となります。検査値の読み方、検査値の推移もみることになります。
最初は、高血圧や糖尿病の栄養指導から入ることが多いでしょう。
まずはここを抑えておきましょう。
簡単な調理法や食材・旬
調理方法の提示も必要です。
食材→調理法→できればその方に合った調理法
というように提示できればと思います。
普段からスーパーへ行ったり、食事をつくったりしましょう。
(なぜなら、りんごは新人の頃実家暮らしで、さぼりがちだったから💦)
栄養指導の技術アップについて・コツなど
栄養指導の知識に上乗せされる『技術』についてまとめました。
嚥下食の栄養指導
給食に携わってないとなかなか分かりにくい、『嚥下食』の指導についてまとめました。
栄養指導をやっていくうちに必要性を感じるものから、積極的に情報を仕入れていけばいいと思います♪
指導の導入に使える『質問票』
私りんごは『質問表』を作成し、聞き漏らしの減少・時間の効率化を行いました。
質問票は、問診票のようなもので、時間の節約になります。
患者さんの待ち時間の有効化にもなります。
なにより新人さんにとっては、『何をきけばいいのか?』が明確化になります。
作成が簡単で導入にあまり時間がかからないと思います。
参考にしてみてください↓
ステップアップの速度は病院ごとに異なる
一つ注意点とするなら、ステップアップの速度は病院ごとに異なります。
以下の点が影響される点です。
- 給食施設は直営か?委託か?
- 管理栄養士の人数は?
- 慢性期か急性期か?
- 総合病院か?精神科や回復期リハビリなどの特化した病院か?
病院へ就職したからといって、『すぐに栄養指導できるか』は病院により異なります。
例えば、給食施設が直営の場合は、給食業務を数年やってから栄養管理担当へ配置させる病院もあります。
また、管理栄養士が1名なら、全ての栄養指導はあなた一人が担います。
「この疾患は経験したことがない」と言っていられない状況やスピードで求められることもあるでしょう。
自分の希望する病院ではどうなのか?が気になる場合は、病院見学や説明会などで事前に聞いておくと心づもりができるでしょう。
書籍紹介
まさに!このステップアップが書かれた書籍が2022年12月に出ました!
・会話形式で書かれている点
・病気ごとのアプローチ方法が書かれている点
改めて整理できる内容だったので、おすすめしたいです!
私も読んでみましたが、わかりやすい内容でした。
まとめ
個別の栄養指導に慣れたら、集団栄養指導へのステップアップもあります。
また「専門知識を習得したい」となれば、糖尿病・がん・摂食嚥下などの専門分野の勉強もあります。
栄養指導は学びの多い分野です。
そのはじめの一歩、みんなが通る道、
あなたの『栄養指導デビュー』をりんごは応援しています!
以上、参考になればうれしいです!
ありがとうございました!
一緒に学んでいきましょう♪
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