新人管理栄養士さん、栄養関係の皆様、お疲れ様です!
日々の業務に追われ、頑張られているかと思います。
今回は、前回に続いて、栄養科で扱っている書類一覧の要点を解説したいと思います。
前回記事↓
新人さんにおいては、この書類はなんのためにこの書類?なのかが理解できると思います!
病院ごとに様式や呼び名が異なる場合もありますが、基本的には同じようなものがそろえられているはず。ここに当てはめてみてください。
書類の意味が分かると業務もスムーズになりますよ。
衛生関係書類 13種類!
監査対象となる書類は合計約33種類ほどあり、
大きく、栄養管理と衛生管理に分けられます。
衛生管理書類は以下の通りです。
■衛生管理書類 (13種類)
- 衛生管理マニュアル(自分の施設で独自に作成している場合)
- 検収書
- 原材料の生産者・仕入れ一覧表
- 病院の自主検査結果表
- 業者の自主検査結果表
- 衛生管理点検表(毎日・月1回・3か月に1回)
- 従事者の衛生管理点検表・健康診断結果
- 配膳車の温度管理票
- 調理過程保管記録簿
- 食事提供時の温度記録
- 検便結果(月1回・ノロウイルス検査年1回)
- 害虫防除施行記録
- 食中毒・非常時対応マニュアル
すべては『大量調理施設衛生管理マニュアル』!!
全ての基本は『大量調理施設衛生管理マニュアル』から落とし込まれた帳票です。ですので、不足しているものがあればマニュアルをもとに作成すれば、大きく間違うことはありません。
↓マニュアルをチェックしておきましょう(令和3年9月現在)
食品等事業者の衛生管理に関する情報 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
Microsoft Word – (了)0612☆(通知案)大量調理施設衛生管理マニュアル通知案 (mhlw.go.jp)
①衛生管理マニュアル(自分の施設で独自に作成している場合)
施設独自の決めごとなどをまとめたマニュアルです。
作成されているでしょうか?
具体的に、どの製品を使用して・どの工程で・時間・量は?といった内容を明示しておくと、誰がやっても同じように統一化できるメリットがあります。
②検収書
食材の検収の際に使用する点検表です。
検収時刻・品温・品質・ロット番号・保管場所・保管場所の温度などを検収時に点検し、記録しています。
③原材料の生産者・仕入れ一覧表
加工食品、例えば調味料や缶詰は、原材料の生産者を把握していました。
一覧表は仕入れ業者から提出してもらい、変更があれば提出してもらっていました。
④病院の自主検査結果表
年に1度、保健所へ給食を持参し、検査を行っていると思います。その結果表です。
⑤業者の自主検査結果表
各業者でも独自に食品の最近検査を行っています。
乳製品等は毎月行っていることが多いです。生鮮食品・豆腐・卵等も検査を行っている業者から提出してもらい、保管しておきましょう。
⑥衛生管理点検表(毎日・月1回・3か月に1回程度)
テンプレは 『大量調理施設衛生管理マニュアル』 にもあり!
↓こんな感じです。
毎日のチェック項目と、
月1回のチェック項目と、
年に数回~3か月に1回程度のチェック項目があります。
⑦従事者の衛生管理点検表・健康診断結果
こちらも、テンプレは 『大量調理施設衛生管理マニュアル』 にもあり!
↓こんな感じです。
職員の名前を入れて、エクセル等で作成しておいても良いでしょう♪
⑧温冷配膳車・冷蔵庫の温度管理票
温度管理ができているかをチェックするために、冷蔵庫・温冷配膳車の温度を記録していたので、このような書類も作成していました。
⑨調理過程&保管記録簿
こちらも、テンプレは 『大量調理施設衛生管理マニュアル』 にもあり!
こんなかんじです。独自に作成されたものだと、保管から調理過程まで一枚になっているものもあります。
⑩食事提供時の温度記録
適温で患者様に届いているかを、定期的に点検しているか?を問われます。
栄養科を出発して、患者様に届くまでは時差があるので、実際に病棟で食事の温度を測定します。
月1回や、季節ごと3か月に1回などで行うとよいでしょう。
⑪検便結果(月1回・ノロウイルス検査年1回以上)
調理従事者等は臨時職員も含め、定期的な健康診断及び月に1回以上の検便を受けること。検便検査には、腸管出血性大腸菌の検査を含めることとし、10月から3月までの間には月に1回以上又は必要に応じてノロウイルスの検便検査に努めること。
大量調理施設衛生管理マニュアル
ノロウイルスの検査については努力事項となっています。行っている場合はその記録も保管します。
⑫害虫防除施行記録
定期的に、業者さんにより害虫防除施行を行っていました。
その記録を保管します。また、職員による定期的な点検も行い・記録します。
⑬食中毒・非常時対応マニュアル
非常時の食事提供対応マニュアルが準備されているか?関係職員に周知されているか?等が問われます。
非常時には大きく分けて2種類あります。
- 食中毒発生時
- 地震災害時
動き方も異なるので、それぞれの動き方を確認しておきましょう。
また、詳細のポイントは、
- 非常食を利用するのか、外部業者に食事をお願いするのか?
- 非常食の備蓄量は?2~3日分準備。職員の分はどうするか?
- 水の確保
- 食器は?ディスポ食器。または、個包装のものをそのまま提供にするのか?割りばし・スプーン(ラップ・ディスポ手袋等もあると良い)
- 保管場所はどこか?:栄養職員が居ないまたは病院へ出勤できない場合に備え、関係職員がその場所や食事提供をできるようになっているか?を、日々確認しておきましょう。
保管場所をどこにするか?
栄養科内倉庫なら管理は楽ですが、
取り出しにくいなどのデメリットもあります。
また、病院・施設の特徴としては、
- 摂食嚥下困難者の食事はどうするか?
- トロミ調整剤の準備も忘れない。
- 経管栄養剤も用意・予備。
- 補助食品等は、ローリングストックも大事。
東日本大震災の際、非常食を利用しました。
非常食の現実味を感じた経験でした。
その他
- 研修会等への参加記録(出張願い・報告書)
- ヒヤリハットの報告書・改善書
まとめ
以上、保健所監査で見られる書類33種類の一覧でした!
監査で見られるというよりは、日々の栄養管理や衛生管理が正しく行われているかを栄養科がチェックする書類であることが分かっていただけたのではないでしょうか???
ですので、日々少しずつ行っていれば、保健所監査は怖くない!し、いつ来ていただいてもよいはず。
今から書類を整えて、こころ穏やかな業務を行っていきましょう😍👍🍎
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