大量調理機器ってどんなものがある?種類・使い方!|写真で解説

管理栄養士の仕事

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管理栄養士採用で入職し、日が浅い方、厨房にあまり入らない職場の方は、『大量調理機器』ってどんなものがあるのか分かりにくいですよね。また実習などで知ってはいても、現場ではどのような調理に使われているのか?もなかなか分かりにくいものです。

大量調理機器を制する者が給食を制するといっても過言ではありません!

なぜなら、大量調理の種類・キャパ、組み合わせにより、献立作成にも関わってきますし、機器が壊れた!動かない!といった時の対応は栄養士に求められることもあります。

ですので、現場経験のある方の強みはここにあると思っています。

大量調理機器に栄養士が関わる場面
  • 現場に入る場合は、大量調理機器を最前線で扱う時。
  • 献立作成時。機器の組み合わせにより、献立の組み合わせも決まる。
  • 不具合が起きた場合の業者対応時。
  • 不具合が起きた場合の代替え献立を決める時。
  • 機器の買い替え時。

例えば「急に機器が故障!」「調理ができない!」となったら、一刻も早く対応する力が求められます。

病院管理栄養士りんご
病院管理栄養士りんご

りんごは、十数年、機器の不調と戦ってきました(笑)おかげで多少なら応急処置できる能力が身に付きました~。

献立に、回転釜ばかりやスチコンばかり使用するメニューだったら、調理工程上難しく、調理員さんたちに怒られてしまいます。

また、配置換え、買い替え、などの際には管理栄養士が事務方へ説明したり、業者へ依頼したりしなければなりません。

大量調理機器の選定の際には業者ごとの特徴を理解し、違いによりどれがベストかで選定します。(イメージは家電を選ぶイメージです。)

ですので、たかが調理器具、されど大量調理器具!ちょっと知っててもいいかなというレベルで気楽に聞いていただければと思いますが、いざという時役に立てれば幸いです♪

病院管理栄養士りんご
病院管理栄養士りんご

写真を豊富にいれました。見るだけでも、どうぞ♪

主な大量調理器具一覧 名前と用途

大量調理器具には以下のようなものがあります。

  1. ピーラー(じゃがいも皮むき器)
  2. スライサー
  3. 洗米機
  4. 立体炊飯器
  5. スチームコンベクション・オーブン(スチコン)
  6. 回転窯(蒸気式・ガス式)
  7. フライヤー
  8. ブラストチラー
  9. 冷蔵庫 パススルー冷蔵庫
  10. 温冷配膳車・配膳車
  11. 温蔵庫
  12. 洗浄機
  13. 乾燥機
  14. 包丁・まな板殺菌庫・保管庫

順番に見てみましょう↓

下処理系の大量調理機器

ピーラー (じゃがいも皮むき器)

画像:お借りしました。

最初からなにこれ?ですよね。コアなものをすいません…。

主にジャガイモを洗浄・皮むきする機械です。

上からジャガイモを投入して、中のやすりのような部分で削り取って皮をむくことができます。

じゃがいもって1個1個皮をむいて、芽をとるのは大変ですよね…。

そんな作業短縮の為にあるのですが、結構管理も大変です💦

皮交じりの泥水が出るため、流すところも管理が必要。汚水は臭くなりがち…。機械の洗浄ももちろん必要。水はねなどを考慮しなければならない為、ゾーニングも大切です。

以上の洗浄時間・管理・衛生等の理由により、ジャガイモは皮むき済みのものを使用したり、カット野菜を使用することが多くなっています。ですので、この機械自体無いところもあるでしょう。見つけたら、レアポケモンを発見したような気分になってみてください!

スライサー

 その名の通り、野菜などをスライスする機械です!

右から食材を入れ、ベルトコンベアーのように左に流れてきます。左側に刃が回っていて、切られて出てくるといった流れです。

刃を変えることによって、

  • 千切り
  • 短冊切り
  • いちょう切り
  • 大根おろし などができます!

スライサーのデメリット

  • 食品の端が大きくなって出てきてしまったりする。
  • 手で切ったほうがきれい・早いなどの食材もあるため、見極めが必要。
  • 洗浄・消毒の為に、各部品を取り外すことが必要。
  • 正しい操作方法をしないと危険。

スライサーも包丁・まな板より管理が必要なため、食数によっては手切りのみで、これを使用していないところもあります。

洗米機

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 ↑楽天に載ってました♪(笑)買えるんですね!

このタイプは水圧で米を洗うイメージです。上のような、米を洗うだけのタイプと、貯米庫(米を保管しておくところ)から自動で米を計量してから、さらに洗米してくれるタイプもあります。

私の経験した直営のところでは、前者→後者へ買い替えた経験があり、変わったときは感動しました!

加熱調理機器

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: konro_mitsukuchi.png

加熱器具としては、小規模ならガスコンロ・IHなどのみのところありますが、

大量調理では、主に以下のものがあります。

立体炊飯器

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 これも楽天市場にありました(笑)

電子レンジみたいですが、ここに大きな炊飯用の釜を入れて、炊飯します。

米飯も全粥も作れます!

途中で炊飯は中止してしまうと、大変です!予定時刻にご飯が出せない!なんてことにもなります。

途中停止した場合、エラーコードが表示されます。

説明書に、どのようなエラーか書いてあるものもあるので、慌てて扉を開ける前にチェックしてみると良いでしょう。

スチームコンベクション・オーブン(スチコン)

 もうこれは、もう王様!(笑)

 これがなくては大量調理は成り立ちません!

 焼く・煮る・蒸す、魚・肉・デザートもこれ1台で調理可能な調理機器です!

 冷凍うどん・焼きそばも作れます♪

 これだけで大体の加熱調理ができるので、回転釜がない施設もあるくらいです。

 基本的にはオーブンで焼料理ができるイメージです。

 さらにスチーム量を調整することにより、蒸し料理ができるのです。

回転釜

大きなフライパンや鍋のイメージです。

炒め物・煮物・汁物には重宝します。

スチコンになかなかできない、『煮詰めながら調整する』『調味料を途中で入れる』ということができるのがメリットだと思います。

回転釜は、

右のハンドルを回すと、手前にも、奥にも傾きます。

ガス式、蒸気式などあります。

フライヤー

○○ヤーという機械が多いですね。かっこいい!

これは、その名の通り、フライ(揚げ物)をする機械です。

大量調理においては、揚げ物にしても量が多く、大量に投入すると温度が下がってしまったりします。フライヤーは大量に投入できる揚げ物器です。

揚げ物は調理に一人が付きっ切りになったり、時間がかかる作業なので、頻度も多くないかもしれません。

病院・施設によってはフライヤーは無くて、鍋で揚げるところもあるでしょう。

温度管理系機器

ブラストチラー

マイナス40℃まで急速冷凍・冷却することができる器械です。

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背が高いもの、低いもの、容量によってあります。

スチコンで調理したホテルパンごと、こちらに投入することができます。

クックチル等で使用するイメージですが、それ以外にもゼリーを当日作って当日提供することができたり、ゆで野菜を急速に冷やしてお浸しとして提供することができます。水に浸して冷却すると水っぽくなってしまうものにも重宝します。

冷蔵庫・パススルー冷蔵庫

 冷蔵庫はもちろん、業務用は知っているかと思います。

 また冷蔵庫と一口に言っても、ほかに、

  • 中が見えるタイプ
  • 中心の柱がないタイプ
  • 向こう側から取り出せる、パススルー冷蔵庫があります。

 パススルー冷蔵庫は、特に下処理室が別部屋になっているところでは、

下処理から→調理室 への材料の動きで活躍するでしょう。

温冷配膳車・配膳車

 温冷配膳車は、適温給食の強い味方!なのですが、1台の値段がびっくりするくらい高いので、なかなか買い替えるのは難しい代物です。

 大きさによりますが、1台100万~200万!車の値段だと思ってください👍

大事に扱ってほしいのですが、なんせ移動する機械なので、配膳箇所が遠い病棟だったりすると、壁にぶつかったり、扉がぶつかったりしてゆがんだりしてしまうこともあります。

 扉がゆがんでしまうと、冷気や温気が漏れたりすると適温提供できないばかりか衛生管理にも関わります!

大切に扱いましょう♪

温冷配膳車を引く人のイラスト(女性)

また、厨房と提供場所が近いところや、温度管理のあまり必要ない常温のおやつを提供する場合などは、配膳車やカートを使用することもあります。温冷配膳車より、価格も安いですし、電気も必要ありません。使い分けていきましょう。

温蔵庫

こちらは、温のものを適温で保管しておく機械です。見た目は冷蔵庫ですが、温かく保管することができます。

 温冷配膳車がある施設ではあまり使用していない病院・施設のほうが多いかと思います。

(食器)洗浄機

 家庭で使用する、食器洗浄機の大きいバージョンがこれになります。

 食器数によっては、ベルトコンベアー式で流していくタイプもあります。(さすがに楽天さんにはなかった)

それぞれ、メリット・デメリットがあります。

食数・時間・人員・設置場所を考慮して、導入しています。

食器乾燥保管庫

 洗浄後の食器を乾燥させる機械です。衛生管理上、水浸しの状態では使用できません。食器の量により、乾燥機の大きさも異なります。ちなみにお膳も洗浄・乾燥させるので、かなりの大きさが必要となります。

包丁・まな板殺菌庫・保管庫

 こちらは、包丁・まな板を衛生的に保管する機械です。

紫外線ランプを使用し、殺菌を行うことができる器械です。

注意点としては、

  • 紫外線は、当たってないところは殺菌できません。まな板は重ならないように入れましょう。
  • 殺菌灯は、有効時間数が決められていますので、定期的に交換しましょう。

お願い!説明書はひとまとめにしておきましょう!

取扱説明書のイラスト

 大量調理機器には家の家電と同じように『取扱い説明書』が付いてきます。もし、不具合があった時に、最初に見るのはこの『説明書』です。すぐに業者さんが来ない場合は自分たちで対応しなければならない場合もあります。必ず保管しておきましょう。

 そして注意してほしいのは、保管方法。紙なので、厨房内にあると油まみれになったり、濡れたりしてしますので、事務所内で保管しましょう。さらに、どんなものでも構いませんが、ファイリングすることをオススメします。

家庭でも、説明書をファイリング保管するのは見やすくて、なくなる心配もありません。私も家庭でもやっています。

病院管理栄養士りんご
病院管理栄養士りんご

ファイリング、ぜひやってみてください。

まとめ

 今回、私も改めて大量調理機器の価格を認識し、大事に扱うようにしようと思いました。

(まさか、楽天で売っているとは!Σ(゚Д゚)という商品もあり、驚きもありました!(笑))

最初にもお話していましたが、「大量調理機器が分かると給食業務を制することができる!」といっても過言でないくらい、大事な知識です^^再度確認してみましょう♪

大量調理機器に栄養士が関わる場面
  • 現場に入る場合は、大量調理機器を最前線で扱う。
  • 機器の組み合わせにより、献立の組み合わせが決まる。
  • 不具合が起きた場合の業者対応。
  • 不具合が起きた場合の代替え献立の作成。

また、大量調理機器についてわからないことは、厨房機器を納品した業者さんに聞けば分かります!教えてくれます。

というわけで、大量調理機器を知って、もしもの時の対応の参考にしていただけたら幸いです🍎

病院管理栄養士りんご
病院管理栄養士りんご

参考になればうれしいです!

以上、需要があればうれしいです!

ありがとうございました!

別記事では、大量調理における「おいしいご飯の炊き方」について書きました。

おいしいごはんは日本人のこころに沁(し)みます。家と違う場所でおいしいものを食べられる…それも治療の一部です。まずは基本のご飯から。下のリンクより参考にしてみてください↓

国試勉強本についても書いています↓。下のリンクより参考にしてみてください。

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