糖尿病の栄養指導をすることになりました。
どのように指導したらいいですか?
指導によっては、“カウンセリング系”の指導を心がけるようにしています。
カウンセリング – Wikipedia
カウンセリング(英: counseling)とは、依頼者の抱える問題・悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて行われる相談援助のことである。
“カウンセリング系”はすべての栄養指導に共通することかもしれませんが、特に生活習慣病に関する病態・継続指導で多いと思っています。
『やってみたけど、うまくいかない。どうしたらいいの?』
といったことが多いので、悩みに対しての相談援助というかたちをとることが多いからでしょう。
患者さんの気持ちを想像してみる
糖尿病と診断された方の栄養指導に入ることになりました。その際の、患者さん側の気持ちを考えてみましょう。
- 「急に、糖尿病とか言われて(診断があって)不安。。。」
- 「栄養指導って、何言われるんだろう。」
- 「糖尿病って言われたって、理由はわかってるんだ。」
こんなことを思っているかもしれません。
でしたら、まずはそれでも栄養指導室まで足を運んでくれたことを歓迎しましょう😊
足を運んでくださり、ありがとうございます!
『ラポールの形成』
なんか聞いたことあるけど、実際どうしたらいいの?ですよね?
りんごも新人時代さっぱりでした。言っても言ってもやろうとしてくれない。なんでわからないの!と、思ったこともありました。
その時、病気の知識を伝えるだけでは人は変わらないと気付いた瞬間でした。
そのころから、私はやっとカウンセリング技法や心理学を意識しました。
それまで、心理学は大学の授業で一コマくらいあったような…といったかんじで、全然理解できてなかったのです。『一瞬で人の心を操る』みたいな本にも手をだしました。(笑)
『ラポールの形成』とは?
「ラポール」はもともと「橋を架ける」という意味のフランス語だそうです。人と人との信頼関係を表す言葉です。
心理療法の世界ではクライアントとの信頼関係を築くことを「ラポールを形成する」と言います。
ラポール形成ができれば、「この人ならわかってくれる」「いろいろなことを打ち明けられる」と心と心が通い合って、栄養指導も成功しやすくなるでしょう。
実践編①最初のあいさつ 不安→安心へ変える
最初顔を合わせたら、私は「敵じゃないよー!味方だよー」というところを心がけています。
『体調はいかがですか?』
『食事は食べられていますか?』
話しやすい話題でまずは患者さんのお話を引き出し、不安をやわらげましょう。
実践編② 話しやすい雰囲気づくり 傾聴と共感と受容
話しやすい話を振ると、言葉が出やすくなります。
『どんなものをよく食べますか?好きなものは?』
最初はよく聞きましょう。これが『傾聴』です。「え?お菓子?」などと、どこかで突っ込みたくなるかもしれませんが、ひたすら聞きましょう。この段階で突っ込んでしまうと、話すのをやめてしますかもしれません。
それを受け止めていきます。これが『受容』です。
『それは、大変でしたね』という相槌が入ると、『共感』になります。
そうすると、
『ここまで聞いてくれるなら、いろいろ話しても大丈夫かも』と、思ってくださるかと思います。
そうした雰囲気を作ることにより、するするーと、不安や悩みを口に出してくださる方もいます。
『体重減ってたんだけど、また間食食べ始めちゃって。』
なんて言葉が出たら、糸口が一つつかめたかもしれませんね。
ラポールの形成により、提案を受け止める態勢も違ってくる。
一言目に、「体重多いので痩せましょう!」なんて言われたら、嫌ですよね。(そんなこと言うことはないと思いますが)
ラポールが形成されてからですと、
「じゃあ、こうしてみませんか?」といったご提案も受け止めてくださりやすくなります。
- 理由が分かる
- どうしたらいいか、手段が分かる
- この人の話なら聞いてもいいかなと思える。
これが合わさったときに、じゃあどうしてくいくべきか?の推進力が生まれると思います!
寄り添う姿勢があれば大丈夫!
病気になりたくてなった方はいません。
病気になってしまったことだけで、不安です。それを攻めるのではなく、寄り添いましょう。
それが『カウンセリング』です。
寄り添う姿勢があれば、大丈夫!
ですので、新人の方に意識してほしいのは、この点です。
知識は、調べればなんぼでも増やすことができます。
もし、先輩の栄養指導を見学する機会があったら、どのように会話が進んでいるか?を観察してみてください。
ここにさらに、『行動変容のステージ』が理解できれば、さらに技法を使いこなせると思います。
また明日から栄養指導がんばりましょう!
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