栄養指導をすることになりました。
何をどのようにお話したらいいのですか?
指導には2パターンあります。
それは、教習系とカウンセリング系に分けられると思っています。
(りんごの見解です)
教習系
教習系の病態は、外科・消化器科系が多いです。
例えば、消化管切除後の栄養指導です。
ご説明が中心で、”その通りにやっていただく”ことが優先されます。
「この通りにやっていただかないと、事故が起こりますよ。」という感覚です。
たとえるなら、自動車教習のようです。「このようにハンドルをきってください」です。
お話しする優先順位としては、
- すぐに命や病状悪化にかかわること
- その次に実践してほしいこと
- できれば気をつけること。要望状の注意。
と、順序立てることができるでしょう。
①命や病状に関わること(短期リスク)
再入院になる可能性があるものと考えてもいいかもしれません。
例えば、胃の術後なら、ダンピング症状。低血糖。イレウス。
これらの予防法として、
消化の良い食事法、食品の選択法。低血糖時の対処法。が指導内容になります。
②その次に実践してほしいこと(長期リスク)
長期的なリスクに関わること、体重減少、低栄養リスクです。
ですので、体重減少予防や貧血予防・筋力低下予防等が目標です。
- 体重減少しないように体重測定して経過を見てください。
- 分割食でエネルギー確保してください。
- 貧血予防に鉄・たんぱく質が不足しないように摂りましょう。
というのが指導内容です。
③患者さんの要望・方向性・背景
患者・家族の要望や方向性も確認する必要はあります。
1と2が大きな道筋ですが、これをできるだけ負担とならないようにすすめていただくのが大切です。
ここで重要なのが患者背景です。
独居なのか?家族はいるのか?働いているのか?高齢なのか?
そのうえで、嗜好・食事の購入方法・準備方法等を考慮して、選択肢を提案するのが管理栄養士の腕の見せ所かもしれません。
高齢だし、少し甘いものも食べてもいいでしょうか?という質問がある際の提案は?
独居の男性に簡単にできる食事は?
(コンビニ食からの選択法やレンジでの調理法…)
こんな食品なら食べてもいいですよとご提案できるでしょうか?
ここで引き出しが多いと、お答えできる幅があると思います。
他の教習系栄養指導の例
他の教習系は、
・嚥下調整食の指導(きざみ・ペースト・ソフト食)
が挙げられます。
上記に当てはめるとしたら、
1.(短期リスク)窒息のリスク→調理形態・調理上の注意点
2.(長期リスク)低栄養のリスク→栄養確保・補助食品のご紹介
3.調理者は誰か?→調理困難な場合は、市販の介護食をご紹介。選択方法等。
がポイントになります。
→嚥下調整食品についてもまたお話できればと思います。
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