
学会って聞くけど、何があるの?管理栄養士も参加したほうがいいの?
学会って耳にするけど、どんなものがあるの?
特に、新人の頃からだと参加する機会が少ないですよね。
また現在は、コロナ禍で、大規模な学会や研修会は開催されなかったり、オンライン開催に変更となったりで、さらにイメージがつきにくくなっています。
学会特有の熱気を感じられない反面、私のような田舎の管理栄養士にとっては、参加するチャンスは多くなったと前向きに考えられるでしょう。
学会に参加するメリットは、最新の知見を入手できたり、各施設の症例発表などで情報交換をすることができます。
また参加することで、学会認定の資格の単位取得をしたりします。
どんな学会があり、管理栄養士にとってはどんな勉強ができるのかをまとめました。参考にしてください。

わたしが参加したことのある学会を中心に紹介します。
どんな学会があるのか
管理栄養士が参加する代表的な学会には、このようなものがあります。
- 日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)旧・静脈経腸栄養学会
- 日本病態栄養学会
- 日本糖尿病学会
- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
- 日本食事療法学会
ひとつひとつみてみましょう。
日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)
- 会員数:22,922名 (2021年9月30日現在)
- うち、管理栄養士:6,429名
- 認定資格:NST専門療法士
- 学術集会:毎年2月頃でしたが、コロナ禍で延期等になり、期間が変わりました。次回は、2022年5月31日(火)・6月1日(水)です。
- 旧・静脈経腸栄養学会でした。正式名称で呼ぶより、通称のJSPEN(ジャスペン)と呼ぶほうが多いです。
- 輸液や経腸栄養について情報・医療系の情報が多いです。
NST(Nutrition Support Team=栄養サポートチーム)とは、 低栄養状態の入院患者さんを対象に多職種の医療スタッフが協力して 最良の栄養管理を行い、疾病の治癒や合併症の予防を目指す栄養ケアチームのことです。
本認定資格制度は、本学会の定める所定の条件を満たした者を、主として静脈栄養・経腸栄養を用いた臨床栄養学に関する優れた知識と技能を有しているとみなしNST専門療法士として認定するものである。
栄養サポートチーム専門療法士認定規程より(JSPEN:日本臨床栄養代謝学会/旧・日本静脈経腸栄養学会)

NST専門療法士は私も取得している資格です
こちらの記事ではNST専門療法士についてまとめました。病院においての役割ややりがいなどを書いています。お仲間が増えればなおうれしいです!
日本病態栄養学会
- 会員数:2018年時点で9,000名
- 認定資格:病態栄養専門(認定)管理栄養士・糖尿病病態栄養専門管理栄養士など
- 学術集会:毎年1月頃
- 各種病態や糖尿病についての情報が得られます。
日本病態栄養学会 | 一般社団法人 日本病態栄養学会は、疾患の病態研究を行い 効率の良い栄養療法の実践と新たなる栄養療法の開発を行っています。 (eiyou.or.jp)
日本糖尿病学会
- 正会員17,799名(2020年7月20日時点)
- 学術集会:毎年5月頃
- 糖尿病の情報に特化している。
- 学術集会は、管理栄養士寄りな情報も多く、分かりやすかった印象。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会
- 2019年で16,000 名。
- 認定資格:日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
- 歯科医師・言語聴覚士等も在籍。
- 学術集会:9月頃
- あの!『日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2021』を出している学会です。
- 摂食嚥下に特化している学会です。介護食の開発や嚥下障害のある方へのアプローチなどの症例報告も多く、実際に活かせる参考になる情報を得ることもできます。
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 (jsdr.or.jp)
日本食事療法学会
- 主催:日本栄養士会
- 会員:管理栄養士・栄養士
- 学術集会:毎年3月頃
- 内容:診療報酬改定等・臨床栄養に関する栄養管理・給食管理関連のマネジメント。
- 栄養士会が主催だけあって、栄養・給食に特化しています。より馴染みのある情報を得られます。
公益社団法人 日本栄養士会 (dietitian.or.jp)
日本糖尿病協会
こちらは「協会」となっていますが、学術集会も開催されています。
- 第8回日本糖尿病療養指導学術集会 (nittokyo.or.jp)
- 会員数:約10万人
- 会員:患者さん、医師・歯科医師、コメディカルスタッフ、市民・企業などで組織されています。
- 情報誌「さかえ」を発行
- 学術集会は2021年は7月に開催
患者さんと医療スタッフで組織されているという点が他と異なりますが、より患者さんに寄り添った内容となっています。
補足: 糖尿病療養指導⼠ CDEJ
糖尿病療養指導⼠とは、糖尿病に対する正しい知識と熟練の経験を踏まえて、患者⾃⾝が糖尿病の⾃⼰管理(療養)ができるように指導する医療スタッフです。
糖尿病の管理指導におけるエキスパート中のエキスパートで、“糖尿病患者の⾝近にいる⼼強い味⽅”といえる資格です。
少しややこしいですが糖尿病療養指導⼠は、

が認定している資格です。(認定者は↑このバッチがもらえます)
糖尿病療養指導士の勉強にお役立てください。
糖尿病療養指導士受験必修再現過去問題集【応用編】
学会参加のメリット・デメリット
メリット
- 有益な情報が手に入る。
- 最新の情報や活用法が分かる。
- 刺激を受ける。参加者の多さや姿勢に触れると、自分のやる気もアップします。
- 参加者もその目的に沿った方が多い為、情報交換によりさらに業務に活かせる情報が手に入りやすい。
- 資格の勉強は、勉強自体が力となる。

余談ですが、参加の為に遠出ができたり、夜の交流会(飲み会)も密かな楽しみでした♪
デメリット
参加費や認定資格の維持にはお金がかかります。
そこを理解して、必要な学会参加であるのか、資格であるかを見極めておくとよいでしょう。
学会参加の費用と資格取得の費用
- 年会費は1万円前後。
- 学術集会への参加費で1万円前後。
- 資格取得には1~3万円。
- 資格更新には、数年に1度1~2万円くらいかかかります。
学会への参加へはプラス交通費や宿泊費がかかります。
職場の出張費で参加できるかも確認してみる必要がありますが、そのためには必要性があるかが問われるでしょう。(しっかり説明して勝ち取りたいところです)
まとめ:学会はどのように活用するかを考えて
お金はかかる為、焦点を絞って、学会参加や資格取得を目指してみましょう。
こんな基準で考えてみるのもひとつのヒントです。
- 自分の得意を伸ばせる学会を選ぶ。例)糖尿病や摂食嚥下。
- 職場で求められている資格がある。例)NST専門療法士等の算定の為の資格。

楽しんでやれそうなのが大事♪
以上、参考になればうれしいです!
ありがとうございました!
NST専門療法士に興味があれば、オススメのテキストと勉強法をまとめました!
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